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ごあいさつ

学長?理事長からのごあいさつ

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札幌医科大学 学長
(事業推進代表者)
塚本 泰司

わが国は、将来にわたって安心して医療を受けられる環境を構築するための事業の一環として、「未来医療研究人材」を養成する拠点形成事業を開始しています。この目的は、近い将来の超高齢化社会を想定し策定した「地域包括ケアシステム」と連動でき、また地域の医療機関や行政組織と連携し、質の高い活動ができるような人材の育成にあります。すなわち、「リサーチマインドを持った優れた総合診療医等」の育成であり、本学の「北の地域医療を支える総合診療医養成プラン」は、そのねらいに合致します。
北海道がこういった事業のまさに欠かせない地域であることはいうまでもありません。北海道の総面積はわが国の22%と広範囲な医療圏を持っているにもかかわらず、人口は5%と医療人口密度は低く、地域格差も非常に大きいものがあります。その結果、北海道の医師数は全体では人口10万人対224.6人(平成24年度末)と全国平均(226.5人)と大差ありませんが、上川中部の341.9人から宗谷の90.8人と顕著な格差が存在します。特に、道北、道東、道南の遠隔地における医師数不足が著明で、北海道における地域医療の大きな課題になっています。
このような背景をもつ北海道の地域医療を質的にも維持するためには、センター病院と連携の取れたサテライト病院を配置した医療圏を構築することが現実的かつ効率的な対策といえます。地域病院では総合診療医のニーズは非常に高いものがあり、総合診療医の育成が急務であることは論を俟ちません。一方、これまでの実状は、特に遠隔地の地域医療においては、内科系専門医に総合診療医の役割を担ってもらってきたという歴史的背景もあります。これらの状況も考慮すると、一方で総合診療医の育成強化という中長期的な対策と、他方では現実にその役割を担ってきた内科専門医に対する総合診療教育?研修の支援を行っていく必要があります。その意味で、総合診療医を目指す「総合診療医養成特化コース」のみならず内科専門医資格取得を目指す後期研修者を対象にした「総合診療マインドを持つ専門医養成コース」の2つを備えている本学の「北の地域医療を支える総合診療医養成プラン」は、北海道の地域医療を考慮した意義のある取り組みと考えています。
これらの取り組みが、地域医療のより深い理解を促進する地域医療マインド形成のためにこれまで行ってきた、本学の学部教育の特徴の1つである医学部?保健医療学部合同の地域滞在実習(利尻、留萌、釧路、別海、中標津)と強く連動したものであることは明らかです。
北海道の地域医療の実状を考慮したこの養成プランは、本年度で4年目に入ります。これまでも着実な実績が積み上げられてきていますが、より大きな成果を得るためにも地方自治体、地域病院、地域基幹病院、本学関係部署のご協力を得ながら、事業の推進に向けさらなる努力を重ねていきたいと思っています。

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